「国家公務員」とひとくくりに語られますが、 どの機関で働くかによって平均年収は変わります。
この記事では、収録している国家公務員24機関の推計平均年収を並べ、 差がどこから生まれるのかを見ます。
数値は人事院「国家公務員給与等実態調査」および各府省庁の公表資料にもとづく推計値です。 換算方法はデータの出典と算出方法に記載しています。
機関別ランキング
| 順位 | 機関 | 推計平均年収 |
|---|---|---|
| 1 | 外交官(外務省専門職) | 820万円 |
| 2 | 検察事務官・検察官 | 780万円 |
| 3 | 外務省 | 760万円 |
| 4 | 財務省 | 730万円 |
| 5 | 裁判所(裁判官・書記官) | 720万円 |
| 6 | デジタル庁 | 710万円 |
| 7 | 警察庁 | 705万円 |
| 8 | 国税庁 | 703万円 |
| 8 | 税務職員(国税専門官) | 703万円 |
| 10 | 金融庁 | 700万円 |
| 11 | 内閣府 | 695万円 |
| 11 | 裁判所書記官 | 695万円 |
| 13 | 経済産業省 | 690万円 |
| 14 | 公正取引委員会 | 680万円 |
| 15 | 総務省 | 670万円 |
| 16 | 法務省・検察庁 | 660万円 |
| 16 | 公務員(一般行政職・全国平均) | 660万円 |
| 18 | 入国管理局職員 | 658万円 |
| 19 | 国土交通省 | 655万円 |
| 20 | 厚生労働省 | 648万円 |
| 21 | 環境省 | 644万円 |
| 22 | 文部科学省 | 642万円 |
| 23 | 農林水産省 | 638万円 |
| 24 | 防衛省・自衛隊 | 620万円 |
24機関の平均は691万円、中央値は692万円です。 最高の外交官(外務省専門職)(820万円)と 最低の防衛省・自衛隊(620万円)の差は 200万円、倍率にして1.32倍になります。
上位に来るのは専門性の高い職種
上位には、外交・司法・財政といった専門性の高い分野の機関が並びます。
これらに共通するのは、一般行政職とは別の俸給表が適用されることです。 国家公務員の給与は職務の性質ごとに複数の俸給表に分かれており、 行政職俸給表のほかに専門行政職・税務職・公安職・研究職などがあります。
たとえば税務職には税務職俸給表、 検察官には検察官の俸給に関する法律にもとづく別建ての給与が適用されます。 同じ「国家公務員」でも、適用される表が違えば水準も変わります。
別格の存在:裁判官と検察官
上のランキングには含めていませんが、当サイトには次の職も収録しています。
| 職 | 推計平均年収 |
|---|---|
| 裁判官 | 1,100万円 |
| 検察官 | 1,000万円 |
いずれも特別職で、一般の国家公務員とは給与の決まり方が異なります。 裁判官の報酬は憲法上の身分保障と結びついており、在任中の減額が禁じられています。
これらを含めると、国家公務員の年収の幅は 620万円から1,100万円までに広がります。
試験区分より、どの機関かのほうが効く
受験先を考えるうえで重要なのは、何が年収を左右するかです。
当サイトには試験区分別のデータも収録しています。
| 区分 | 推計平均年収 |
|---|---|
| 国家公務員(総合職・キャリア) | 710万円 |
| 国家公務員(一般職) | 640万円 |
総合職と一般職の差は70万円です。
一方、機関による差は200万円。 つまり 「どの試験区分で入るか」より「どの機関に入るか」のほうが2倍以上効いています。
もちろん総合職は昇進の上限が高く、生涯年収で見れば差は開きます。 ただし在籍者の平均という断面で見るかぎり、機関の選択のほうが影響が大きい というのがこのデータの示すところです。
民間の分布に重ねると
当サイトは上場企業3,790社の平均年収を1社ずつ持っているので、 各機関を民間の分布に置いて位置を数えられます。
| 機関 | 推計平均年収 | 上場企業3,790社の中での位置 | この額以上の企業数 |
|---|---|---|---|
| 外交官(外務省専門職) | 820万円 | 下位から80.8% | 727社 |
| 財務省 | 730万円 | 下位から66.3% | 1,279社 |
| 国家公務員の平均 | 691万円 | 下位から57.7% | 1,605社 |
| 厚生労働省 | 648万円 | 下位から46.2% | 2,040社 |
| 防衛省・自衛隊 | 620万円 | 下位から39.6% | 2,291社 |
上場企業の中央値は662万円です。 国家公務員の平均691万円は、上場企業のほぼ中央にあたります。
最高の外交官(外務省専門職)でも上位19.2%で、 上場企業727社がこれ以上を出しています。 国家公務員は民間の上位層と競う水準ではなく、中央からやや上に厚く分布する というのが実態に近い見方です。
地方公務員と比べると
| 区分 | 件数 | 平均年収 |
|---|---|---|
| 国家公務員 | 24 | 691万円 |
| 政令指定都市 | 20 | 687万円 |
| 都道府県 | 47 | 653万円 |
| 市区町村 | 1,721 | 592万円 |
国家公務員の平均は政令指定都市と近い水準です。 市区町村(592万円)とは差がありますが、 これは市区町村に全国の小規模な町村が含まれるためで、 市区町村の上位は国家公務員を上回ります。
「国家公務員のほうが高い」と単純には言えません。 どの公務員を受けるかで年収はどれだけ変わるかで 区分間の比較を詳しく検証しています。
数字を読むときの注意
- これは推計値です。 公表されている俸給表・級別在職者数・地域手当の支給割合などから 算出しており、各府省庁が公表したそのままの数値ではありません
- 在籍者全体の平均です。採用直後はこれよりかなり低く、幹部職はこれより高くなります
- 勤務地の影響を含みます。 本府省勤務には地域手当が付き、地方機関とは差が出ます
- 超過勤務手当の扱いは機関によって異なります。 本府省の一部は勤務時間が長く、 実支給額はこれを上回ることがあります
- 退職手当・共済年金は含みません。 生涯収入で比較する場合は別途考慮が必要です
- 企業側の数値は有価証券報告書の単体の平均年間給与です