「知事や市長はいくらもらっているのか」は、職員の年収とは別に関心を持たれる数字です。

総務省「地方公共団体別給与等の比較」には、団体別の首長・副首長の平均給料月額が 公表されています。当サイトはこれを1,788団体分そろえました。

この記事で扱うのは給料月額です。年収ではありません。 手当も期末手当も含まない、条例で定められた基本の月額です。 そのぶん、同じ調査に載っている職員の平均給料月額とそのまま比べられます。

首長と職員の給料月額

区分 首長 副首長 職員 首長は職員の
都道府県(知事) 1,217,655円 995,960円 321,613円 3.8倍
政令指定都市(市長) 1,163,220円 979,145円 323,845円 3.6倍
市区町村(市区町村長) 803,761円 664,439円 309,916円 2.6倍

職員の給料月額は、区分が違ってもほとんど変わりません。 年収の差はほぼ地域手当で生まれているので、 手当を含まない給料月額で見ると差が消えるためです。

一方首長の側は区分によって大きく違います。 同じ団体の職員との差を取ると、都道府県では896,043円、 市区町村では493,845円です。 職員の給料はどこもほぼ同じなのに、首長の給料だけが団体の規模で変わる、 という構図になっています。

42団体では、首長のほうが副首長より安い

ここがこのデータのいちばん奇妙な点です。

1,788団体のうち 42団体(2.4%)で、 首長の給料月額が副首長を下回っています。

序列が逆転しているのは、制度がそうなっているからではありません。 首長の給料は条例で定められ、財政状況や選挙公約にもとづいて 自主的に減額されることがあります。 この表はその減額後の額を反映しています。

もっとも分かりやすいのが東京都庁で、 知事の給料月額は730,000円、 副知事は1,192,000円です。 知事のほうが副知事より低くなっています。

つまり首長の給料は、職務の重さではなく政治的な判断で決まる部分がある、 ということです。職員の給料が給料表で機械的に決まるのとは、性質が違います。

知事の給料月額 全47都道府県

順位 都道府県 知事の平均給料月額
1 神奈川県庁 1,450,000円
2 埼玉県庁 1,420,000円
3 千葉県庁 1,390,000円
4 広島県庁 1,389,000円
5 福岡県庁 1,350,000円
6 茨城県庁 1,340,000円
6 岐阜県庁 1,340,000円
8 宮城県庁 1,310,000円
8 群馬県庁 1,310,000円
10 静岡県庁 1,301,000円
11 富山県庁 1,300,000円
11 福井県庁 1,300,000円
11 徳島県庁 1,300,000円
14 長野県庁 1,292,000円
15 岡山県庁 1,290,000円
15 山口県庁 1,290,000円
17 香川県庁 1,285,000円
18 新潟県庁 1,280,000円
18 三重県庁 1,280,000円
20 青森県庁 1,260,000円
20 佐賀県庁 1,260,000円
20 長崎県庁 1,260,000円
23 山梨県庁 1,250,000円
23 滋賀県庁 1,250,000円
25 大分県庁 1,243,000円
26 山形県庁 1,240,000円
26 熊本県庁 1,240,000円
26 宮崎県庁 1,240,000円
26 鹿児島県庁 1,240,000円
30 岩手県庁 1,230,000円
30 沖縄県庁 1,230,000円
32 高知県庁 1,220,000円
33 京都府庁 1,188,600円
34 愛媛県庁 1,188,000円
35 鳥取県庁 1,165,000円
36 栃木県庁 1,161,000円
37 和歌山県庁 1,137,400円
38 福島県庁 1,122,000円
39 島根県庁 1,116,000円
40 愛知県庁 1,103,200円
41 奈良県庁 1,092,600円
42 大阪府庁 1,064,000円
43 秋田県庁 968,000円
44 北海道庁 966,000円
45 兵庫県庁 938,000円
46 石川県庁 910,000円
47 東京都庁 730,000円

職員の何倍かで見ると

金額そのものより、同じ団体の職員と比べて何倍かのほうが、 その団体の考え方が見えます。

市区町村1,721団体の倍率は、 中央値2.6倍、 最大4.4倍(千代田区役所)、 最小1.1倍(嬬恋村役場)です。

倍率が高い20団体です。

順位 自治体 首長の給料は職員の
1 千代田区役所 4.41倍
2 文京区役所 4.30倍
3 中野区役所 4.23倍
4 港区役所 4.18倍
5 中央区役所 4.01倍
6 新宿区役所 3.90倍
7 葛飾区役所 3.89倍
8 大田区役所 3.87倍
9 北区役所 3.85倍
9 板橋区役所 3.85倍
11 江東区役所 3.83倍
12 江戸川区役所 3.82倍
13 渋谷区役所 3.80倍
13 荒川区役所 3.80倍
13 練馬区役所 3.80倍
16 尼崎市役所 3.79倍
17 杉並区役所 3.74倍
18 台東区役所 3.72倍
19 盛岡市役所 3.71倍
20 墨田区役所 3.69倍

上位に並ぶのは東京23区です。 特別区の職員の年収は市区町村の中で高いのですが、 それは地域手当によるもので、給料月額そのものは他の自治体と変わりません。 そこに高い区長の給料が乗るため、倍率が大きく出ます。

逆に倍率が低い20団体です。

順位 自治体 首長の給料は職員の
1702 豊能町役場 1.71倍
1703 越生町役場 1.70倍
1704 黒滝村役場 1.68倍
1705 杵築市役所 1.67倍
1706 高原町役場 1.63倍
1707 鮫川村役場 1.62倍
1707 みなかみ町役場 1.62倍
1709 海士町役場 1.60倍
1710 太地町役場 1.59倍
1711 平群町役場 1.55倍
1712 夕張市役所 1.53倍
1713 葛城市役所 1.49倍
1714 日高川町役場 1.46倍
1715 東秩父村役場 1.45倍
1716 高畠町役場 1.39倍
1717 上野原市役所 1.26倍
1718 珠洲市役所 1.25倍
1718 早島町役場 1.25倍
1720 市川三郷町役場 1.18倍
1721 嬬恋村役場 1.15倍

小規模な町村が並びます。財政規模が小さく、 首長の給料を抑えている団体が多いと考えられます。

数字を読むときの注意

  • これは給料月額であって年収ではありません。 首長にも期末手当と 退職手当が支給されます。年収は本記事の12倍より大きくなります
  • 職員の側も給料月額です。 当サイトが各ページで出している 推計年収は、これに諸手当と期末・勤勉手当を加えたものです。 この記事の数字とは別物として読んでください
  • 減額後の額です。 条例で自主減額している団体では、 本来の額より低い数値が載っています。減額前の額は分かりません
  • 副首長が複数いる団体では平均値です
  • 詳細は出典と算出方法および免責事項をご覧ください

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