公務員から民間企業への転職を考えるとき、 「年収は上がるのか、下がるのか」は避けて通れない論点です。
年収ナビの実データで、公務員の年収水準が民間企業のどのあたりに位置するのかを確認します。
公務員の年収水準
| 区分 | 件数 | 平均年収 | 中央値 |
|---|---|---|---|
| 国家公務員 | 24 | 691万円 | 692万円 |
| 政令指定都市 | 20 | 692万円 | 692万円 |
| 都道府県 | 47 | 657万円 | 650万円 |
| 市区町村 | 228 | 642万円 | 635万円 |
おおむね640万〜690万円の範囲です。
民間企業のどこに位置するか
上場・非上場企業3,844社の平均は697万円、中央値は664万円です。
国家公務員の平均691万円を上回る企業は1,643社、全体の42.7%です。 つまり約6割の企業は、国家公務員の平均を下回っています。
企業規模別に見ると位置づけがはっきりします。
| 従業員数 | 社数 | 平均年収 | 国家公務員691万円との差 |
|---|---|---|---|
| 100人未満 | 231 | 662万円 | −29万円 |
| 100〜299人 | 574 | 638万円 | −53万円 |
| 300〜999人 | 953 | 651万円 | −40万円 |
| 1,000〜2,999人 | 786 | 721万円 | +30万円 |
| 3,000〜9,999人 | 476 | 789万円 | +98万円 |
| 10,000人以上 | 325 | 901万円 | +210万円 |
従業員1,000人が分かれ目です。 1,000人未満の企業に移れば平均的には年収が下がり、 3,000人以上であれば上がる、という関係が読み取れます。
業種による差
業種でも大きく変わります。国家公務員の691万円と比べて高い業種は限られます。
| 業種 | 件数 | 平均年収 | 691万円との差 |
|---|---|---|---|
| 銀行・金融 | 131 | 813万円 | +122万円 |
| 建設・不動産 | 287 | 791万円 | +100万円 |
| 電機・電子 | 230 | 747万円 | +56万円 |
| 物流・運輸 | 116 | 721万円 | +30万円 |
| 商社・卸売 | 304 | 715万円 | +24万円 |
| 素材・化学 | 291 | 703万円 | +12万円 |
| 機械・設備 | 214 | 698万円 | +7万円 |
| IT・通信 | 617 | 688万円 | −3万円 |
| 食品・飲料 | 133 | 678万円 | −13万円 |
| 市区町村 | 228 | 642万円 | −49万円 |
| サービス | 556 | 629万円 | −62万円 |
| 小売・流通 | 313 | 568万円 | −123万円 |
収録数が最も多いIT・通信(617社)の平均は688万円で、 国家公務員とほぼ同水準です。 「IT業界に行けば年収が上がる」とは、業界全体の平均で見る限り言えません。
「年収が上がる転職」の条件
実データから読み取れる条件は、次の2つに集約されます。
- 従業員3,000人以上の企業であること(平均789万円〜)
- 金融・建設不動産・電機など、業種平均が高い分野であること
この2つが重なる企業では、公務員の年収を明確に上回る可能性が高くなります。 逆に、中小企業やサービス・小売業への転職では、 年収が下がる可能性のほうが高いというのが実データの示すところです。
数字に表れないもの
年収の比較だけでは判断できない要素があります。
- 退職金と年金:公務員の退職手当・年金制度は民間企業と設計が異なります。 生涯収入で比較すると、年収だけの比較とは違う結果になり得ます
- 雇用の安定性:年収ナビのデータでも、公務員は上下200万円程度の狭い範囲に 収まるのに対し、民間は248万円から2,500万円まで10倍の開きがあります。 上振れの可能性と下振れのリスクは表裏一体です
- 年齢による初期条件:中途採用の提示額は、その企業の平均年収ではなく 経験・年齢・職種で決まります。平均年収900万円の企業に転職しても、 最初からその水準になるわけではありません
この記事の数値について
- 集計対象:年収ナビ収録の4,315件(2026年08月30日時点)
- 公務員の数値は公表統計にもとづく推計値、企業の数値は有価証券報告書の実測値です
- 転職後の年収を保証・示唆するものではありません。 実際の提示額は 職種・役職・経験によって決まります
- 詳細は出典と算出方法および免責事項をご覧ください